ワークフロー改善への道2

前回の記事が前提の把握に終始したので、今回こそ詳しく仕事のプロセスをまとめたい。前回に引き続き、粒度を測りかねるままだが、とりあえず思いつくことを書いてくので、今回も長くなる。

概ね以下のような流れ。

  1. スケジュール押さえ・見積もり
  2. 受注決定
  3. デザインカンプ受け取り(入稿)
  4. 制作〜初回プレビュー
  5. 修正対応などのあと納品・公開
  6. アフターフォロー
  7. メンテナンス

仕事の内容によってもこのワークフローは変わる場合がある。今回は仮に、WordPressを利用した、ローカルビジネスの小さなボリュームのサイトを作ると仮定する。最終的なサイトオーナーからの直接受注ではなく、間に取引先が入り、下請けをするという形。

スケジュール押さえ・見積もり

スケジュールの押さえは大体見積もりとともにやってくる。この段では、見積もりの結果次第で受注が決まるというより、見積もりの結果、こちらへの発注内容に差が出る。つまり、できれば全部まるっとお任せしたいが見積もりが予算を超えたら、先方でできる部分はやることになるらしく、こちらの作業が減る結果、見積もり額を減らすことがある。

見積もり時には最低限サイトマップを提出してもらうようにお願いするが、「ある過去案件と同じ感じで」というやりとりになる場合もある。できれば、仕様書や要件定義書、コンテンツ一覧としてのサイトマップやページ一覧を用意して欲しいと思うものの、全てが揃ってくる事はまずない。不完全なサイトマップがあるだけの場合も多いので、不足分を補ったり、ページ一覧を書き起こすこともある。WBSを書くために要件定義をすることもある。「ある過去案件と同じ感じで」とは言っても全く同じ事はあり得ないので、ページ一覧や要件定義を書きながら手を動かす中で、見積もり時に確認する点などを洗い出していく。

WBSや要件定義に時間を取られるので時短を図りたい。また、取引先とも要件定義を共有して、機能の確認やタスク管理に役立てたいと思うものの、書く内容が専門的になってしまうことや、先方は特に把握したいと望んでいなかったり(?)するのでうまくいっていない。要件定義〜WBS〜タスク進行管理をトータルに管理するツールもおそらくあるのだろうが、今のところGoogleドキュメントで個別に管理している点もある意味課題。

WordPress案件では必要な機能が実際に実装可能なのかを検討することもある。こういうものは、時間があるときなら勉強と割り切って、見積もり外になってもいいので、テストサイトなどを使って試すこともある。

過去案件と同じぐらいで、、、という場合、取引先では「前と同じぐらい」の金額を前提としているのはわかっているので、では前と同じ金額でやりましょうか、というやりとりになることも少なくない。ありがたいのは、やってみた結果しんどかった場合は(双方それを認識しているので)作業の途中で追加料金をお願いする流れもある。

見積もりでは受注を左右するシーンがほぼないので、スケジュールもこの時点で締め切りが見えているものが多い。ただ、締め切りは決まっているのに、入稿のタイミングはわかりません、ということもある(信じられないことに)。

見積書を書くこともあれば、メッセージでX万円ぐらい、というやり取りで決まることもある。

受注決定

契約書を交わすということがないので、受注決定の瞬間というのはかなり曖昧だ。見積もりの返事があったときなのか、入稿があったときなのかよくわからない。スケジュール押さえの後なかなか連絡がない場合は、他のスケジュールにも影響するので、どうなっているのか確認することが必要になる。
未受注のもののスケジュールや管理は曖昧になっていると、これを書きながら気がついた。

デザインカンプ受け取り(入稿)

デザインカンプはウェブデザイナがPSDやイラレで作った、サイトデザインの仕上がり図である。これを受け取ったときに、ざっと全体を確認し、最初のプレビューの内容と期限を相談する。
このときに不明点について山ほど確認することになる。またトップページだけ先に与えられ、他のページは五月雨でデータが届くことも少なくない。

また、受注が決まったときに、少し手が空いていれば、入稿に先んじて必要な作業を進めておくことがある。特にWordPressの場合は先にやっておけることが山ほどある。サイトオーナーで記事を増やしていく前提なので、要件に応じて先に管理画面の部分を整えておいたり、必要なプラグインやブロックエディタのカスタマイズなど。また、テーマ設計についても、スマホでのメニュー開閉など、必ず必要になるようなものは部分的に先にコーディングしておく。

制作〜初回プレビュー

引き受ける仕事は全てレスポンシブサイトになる。本来であれば、PC用、タブレット用、スマホ用、などと、画面幅に応じたデザインのカンプが欲しいところだが、これが揃って出てくる事はほぼない。トップページだけはPCとスマホ両方あるが、それ以外のページはPC用のみか、スマホ用のみか、どちらかのみが提供される。また、制作する全てのページのデザインカンプが作られるわけではない。ページによってはテキスト原稿のみやワイヤーフレームのみの場合もある。なので、足りないぶんは、私の裁量で作ることになる。裁量になる部分については、特段の必要がない限り、こちらの勝手で進めることが多く、プレビューの後に気になるところを修正対応する流れ。

修正対応などのあと納品・公開

プレビューまでが、トップページとテンプレート部分だけなら1週間以内、全体的なプレビューの場合は2週間ぐらい。修正を繰り返しつつ、納品までは入稿から1ヶ月後というのが理想。これ以上かかるのは正直苦痛で、なるべく短いサイクルで終わらせたい。時間がかかればかかるほど、関係者は記憶を失うし、私も同じだ。覚えておく、思い出す、はある意味コストである。

記憶を失うのは仕方ないので、それを前提にして、WordPress内での実装のことなどは、なるべくドキュメントで残すなどしておきたいが、あまり万全にできていないのは課題。要件定義とも関わる部分かもしれない。

新たに取り組みたいこととして、スタイルガイドの制作がある。WordPressサイトの場合は、概ねブロックで実装することになると思うので、非公開の記事でモジュールライブラリを残しておくなどの方法を検討したい。

プレビュー後、コンテンツの入力を私自身ではなく取引先やサイトオーナーが入力していく場合が多い。入力のトレーニングはこの段階か、公開後に行うこともある。

納品時の状況を少し細かくメモをしておくのは大事だと思うが、あまりできていない。データを残す、キャプチャをとる、実装などの判断についてのプロセスを明らかにしておくなど。カルテのような物を想定しているが、具体的にどう作るのか定まらないので、先行事例があるなら参考にしたい。
ただ、それってコーダの仕事かな?と思うこともある。引き受けるプロジェクトで誰もそういうことをやっているように見えないのと、そうすることが自分の仕事のためになるかと思ってやるべきかなと考えている。しかし、そういうわけでモチベが低いので、なかなか、手につかない。

アフターフォロー

WordPressでサイトオーナーが更新をしたり取引先が管理したりする中で、不明点はいつでも問い合わせに応じるし、ちょっとした修正点などは、納品後も対応することがある。サイトオーナーの更新トレーニングがサイト公開後になった場合などは、そこそこ大きな修正も引き受けるが、それは本来やるべきことの範囲だったとするので、追加料金をとることはない。

詳細は後述するが、WordPressは定期的なアップデートが必要になるが、そういうものは、別途メンテナンスとして、年額や1回いくらの取り決めで対応することもある。

メンテナンス

サイト納品後、WordPressのアップデートを数回分と、使い方の問い合わせや、テキスト修正などの軽度の変更を随時対応するというような内容で、1年更新の契約のような形で引き受けることがある。その場合、WordPressのメジャーアップデートがあった際に、いついつ更新を実行します、の連絡をこちらから行う。こちらから働きかけが必要なので、メンテナンス取引はあまり増やしたくないと思っている。

また、取引先のひとつとは月額で契約していて、その取引先が関与するサイトについて全般的に管理を行う形態もある。これはあくまで先方から依頼が来て諸般対応するものなので、負担には思わずむしろ定期収入でありがたい。

ひとつひとつのサイトに、それほど深く長期的に関わることができないのが、今の体制の限界とも言える。基本的に下請けなので、作業スコープから考えると、浅い関わりになるのは当然でもある。個人的な考えだが、ウェブサイトのことは、日々の管理や長期的な展望など、やれるだけのことは自社でやる上で、制作会社に助言を仰いだり外部の専門家に意見を求めるなりするのが良いと思っている。小さな企業であっても。そういうとき、気軽に相談ができる相手のひとりでありたいという思いはある。


以上がワークフローだが、書き出して思うのは、自分の能力上、継続的に管理するということが苦手で面倒と思う節があること。それなのに他人には「ちゃんとする」を求めてしまいがち。あとは、取引先との付き合いの長さや深さゆえになあなあでもなんとか回っている部分が多くあること。そのことはそれで双方問題がないのなら、特に改善する必要はないのでは?と思ってしまう。元も子もないが、だからと言って、このままを続けていくことには、漠然とした不安があるので今見直そうとしているのだ。見直すポイントには判断基準が必要そうだということはわかった。

次回は改善するポイントについての優先順位や判断基準について考察を続けていきたい。

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