この記事は、企業内でウェブサイトの運用や更新などに関わり、ウェブの制作会社さんと直接or間接的に、また営業などでウェブの制作者と話す機会がある人、デザイナさんでウェブ制作者さんと話をする機会のある方に向けた、お互いのコミュニケーションがどうやったらもっと効率的で良くなるかについて、ヒントになりますように、と願って書かれたものです。
クライアントさんとの会話に悩む制作者さんにも、もしかしたら何かの気づきになるかもしれません。なったらいいな。
さてここで問題です。
今このページを見ている環境について以下の質問にお答えください。
- パソコンやスマホ、タブレットの名前、利用しているOSとそのバージョン
- ブラウザとそのバージョン
- デバイスのスクリーンの大きさ
- 使用しているネットワークの環境。
イーサーネット?無線?Wi-fiの名称は?
プロバイダの名称は?IPアドレスは? - 今見ているページのURLを答えられますか?
- このページを見る前にはどのページを見ていましたか?
いくつ、答えられましたか?
ここで、ひとつも答えられなかった、正確かどうか自信がない、と正直に思った方は望みがあります。改善すれば良いのです。
また、なんでこんなことが答えられないといけないのか?と思った方も是非、続きをちょっと読んでみてください。
作ったウェブサイトで何かトラブルが発生したり、改善してほしいことが見つかった場合に、それを制作者さんに伝える、ということがあると思います。
そういう時、制作者さんは修復や改善に向けて以下のことをします。
- トラブルであれば、同じことが起こる環境を確認し、原因を探す
- 原因がわかればそれに対処する。
- トラブルが起こっていた環境で不具合が再度発生しないか確認する
- 後処理として、他にも同じ不具合が起こる場所がないか検討したりする(任意)
大体こんな感じかと思います。
まず、何が起きているのかを把握して、同じことが起こる環境を作らないと、原因を調べることが困難です。また、その後の作業の「改善した」という証拠を得るためにも、不具合を確かめて、それが起こらなくなったことを確認しなければならないのです。再現が出来ないと先に進めない、ということを是非覚えておいてください。
「私の見ている環境で起こっている不具合は、当然他の人のパソコンでも起こっているに違いない」
というのは、思い込みである場合が多くあります。様々な条件が重ならないと出てこない不具合もあります。
不具合を適切かつ迅速に復旧するためには、なるべく早く状況を再現しなければなりません。そのために必要なのが不具合が起こった環境の「情報」です。
- どのパソコン・デバイスで起こったか?
- どのブラウザで起こったか?
- どのページ(できればURLをメモる)で起こったか?
- どんな不具合か(できればスクリーンショットを撮る。スマホで写真でも鮮明に見えれば可)
- どんな時に起こったか(どんな行動を取った時に起こったか。また、直前に見ていたページのURLが参考になる場合もある)
以上のことを伝えられると、制作者さんにとってまず必要とする要件が揃うように思います。必要があればもう少し詳しい情報を求められるかもしれません。不具合が起きなかった頃と不具合が起きるようになった時期や、その間に起きた変化(パソコンを変えた、ブラウザを変えた、OSをアップデートした、など)もヒントになる場合があります。「関係ないかも・・」と思っても、言ってみるだけはタダですし、的外れだったとしても(そういうことを的外れだとか言った制作者は無礼者なだけなので、「そういう言い方は傷つきます」と伝えて、寛大な心で許してあげてください)、可能性のひとつについて白黒つけることになるのは間違いないので、伝えてください。
パソコンとか、ブラウザとか、わからない、正確に伝えられないかもしれない、と思う方には、こちらが便利です。
このページの使い方は、こうです。
- 不具合が起こった!
不具合が起こったそのページはそのままにしておいてください。スクリーンショットを撮り、URLをメモしておきます。 - 新しいタブかウインドウを開いて、上記のページにアクセスし、黒い画面に書かれた文字列をコピーして、メモしておきます。
- この時点で1で保持しておいたページは変更しても構いません。ブラウザの前のページに戻るボタンを押すなどして直前に見ていたページを確認しても大丈夫です。
- 2の内容は「どのパソコン?どのブラウザ?」の情報なので、それ以外の情報について記載し、メールなどで制作者さんに連絡します。
これならできそう!と思っていただければ、幸いでございます。
不具合が起こった際の環境を再現するために確認したいことは、制作者の側からはたくさんありまして、そのどれもがわかりにくい専門用語で尋ねられたり、どこのことか説明されないとわからなかったりで、問う側も問われる側も、気をつかって、正直しんどい作業であります。
わからないことにモヤモヤするよりも・・・
制作者さんも、お客さんがあまり機械に強くなくて、自分の環境についてこちらが求めている情報を送っていただくのが困難だ、と判断した場合は、このようなツールを利用して表示されたテキストを送ってもらう、というのがお互いにストレスの少ない方法かもしれません。
「ユーザーエージェント 確認サイト」などと検索すると様々出てくると思います。
自作する場合ですが、大半はJavascriptで取得できるようです。
私が説明するよりわかり良いと思うので、他でお調べください(えっ
また、多少的外れかもしれない指摘についても、よく聞いてください。あらゆる可能性についてのひとつに白黒つけられますし、それをいちいち「それは違うと思います」とか言うと、コミュニケーションにとって障害でしかありません。「的外れ」と思った自分の判断が実は間違っていて、その情報が解決の糸口になる場合もあります(言い切った、だって過去に何度かあった)。なんでも気楽に話せる(もちろん礼儀と敬意が前提として)関係である方が良いと思います。