「デザインがわかる、地域がかわる インタウンデザイナー活用ガイド(PDF)」を読んでみた話

人に勧められたので、読んでみた。雑感です。

元データ

読んだものはこちら。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/guide_IntownDesigner.pdf

経済産業省の令和4年の資料のようでした。デザイン政策の調査報告書のひとつのようです。ふむ。
以下、「ガイドPDF」と呼びます。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/report.html

読む前ですが、デザインというか、「設計」のできる人が本当に必要なのだろうと思います。生成AIができてしまったので、プログラムに起こすところとかはもう、ある程度ロボットに任せられるとしたら、そもそものシステムや仕組みを考えて、言葉にして設計できることが、人間の仕事として求められているんじゃないかなって。言葉にするのが苦手だ、言葉にできないものがある、の部分も今後だいぶ改善されてくるんじゃないかなとは思うけれど。どうしたって、こう、知識ベースの異なる人としゃべる時もそうだし、誰か自分の思いをわかってもらうには、情報を構造化して提示するって必要な能力だよね。

言葉って便利だけど厄介ですね。思考もコミュニケーションもあらかた牛耳っておるだけに。非言語ってところもなんかもう少し掘り下げていたい気がする。
やっぱ、演劇かな。演劇が処方箋かもしれない(戯言)。

読んでみた雑感あれこれ

自分をデザイナだとは思ったことはないのだけど、デザインは好きだ。グラフィックにしてもプロダクトにしても設計的な面にしても、「人が持つ知恵を込めて作り上げた」感じが好きなんだと思う。『デザインあ』のコーナーで「デザインには全て理由があるんだな」って男の子が言うセリフがほんそれで、考え抜いて試して改善してを繰り返して出来上がってきたカタチや様相は、なぜかそこにあるだけで、説得力があると思う。
なので、自分は、デザインの力を、そもそも信じている人である。ただし、うわっつらをキレイにしただけのものとか真似っこしただけのものには厳しく向き合いたい。

デザイン人材が得意なこと

  • バラバラに見えるものを統合したり再編集する
  • ユーザをとことん観察して理解する、リサーチをする
  • 試行錯誤で作り上げていく
  • 情報をわかりやすく美しく伝える

これ本当にそう。一方で、試行錯誤の部分をポーンと飛び越えて、直感で答え出す人もいて、でもそれがあながち外れてもなかったりするからマジで驚く。感覚的すぎてその「妥当さ」をなんとなく判断できないから、後付け理論で頑張る時もある。あと、上記全部が得意なデザイナさんもそういないと思う、みんな得意分野はそれぞれ。

その地域に住んでいるか否かは、いいことも悪いこともあろうね。ガイドPDFにはなかったけど、地域の中にいながら、外の刺激も受けられるようなことも、ちょっと考えてもいい気がしていて。外から招くデザイン人材と、地域の中にいるデザイン人材やそのタマゴたちとの交流を積極的にしたらいいと思うし、交換留学みたいに、外に行ってみるとかもできたらいいんじゃないかな。できれば海外にも、日本の中の地域って視点だけじゃなくて、世界の中の地域でもあるからね。

シビックプライドの醸成

大学生の頃からシビックプライドの必要性というか、足りなさについて考えているなあ…。答え、出ません。

余談というか。
大学は仙台だったんだけど、その頃の自分は、ろくに東京に行ったことがなくて(行っても上野か赤坂の美術館見てトンボ帰り)、富山以外の土地をほぼ知らないままだった。が、当時の研究室の企画で、いきなり行ったんだ、ヨーロッパに。ローマ、ヴェネチア、パリ、ブリュッセル、アムステルダム、かな?10日ぐらいだったと思う。もちろん初めての海外です(北海道を除くなら!)。

目に映るもの何もかもにびっくりしていたけど、シビックプライドというか、その土地に住む人が持つ誇りを、とても強く感じたのを覚えている。具体的にどこがとかは言いにくいんだけど。古いものが残っていること、家を受け継いで住むこと、多少住みにくくても変わらない街並みがあること。単に焼け野原になったことがないから、地震が少ないからってこともあるかもしれないが、土着の空気が濃い。日本の、駅前とか8号線沿いのどこか「コピペ」感のある街とか雰囲気とは、全く違うんだなって。なんだろう、各街全部合掌造り集落ってことなんかな(違う)。
まあ、先にあげた旅行先も、実際に目にした場所がたまたまそういう感じの場所ばっかりだったとも言えるけども。

極端だとは思っているけど、世界有数の都市はさすがだって話でもある。そこと魚津とか富山県を比べちゃならんか。でもポテンシャルはあるはずだなあと思っているよ、間違いなく。ビッグになれ!とかマッチョなことは一切考えてなくて、土地ならではのものを残しながら息長く町おこしを続けることとかその方法。バズって終わりじゃ困るしな。観光とかよりも、その土地にいる人の優遇というかシビックプライドなり、住み良さ、うまいもん、楽しいこと、などの追求が、およそからの「行ってみたい」に繋がるようだったらいいのにな、というのはずっと思っていること。「あそこに住む人たちいつも楽しそうだよね」って。

今すぐ/だれでも「好きなデザイン探し」しよう

ガイドPDFに、明日からできる実践が書かれていたのが良かった。その中でも特に「身の回りの「良いな」と感じたデザインを観察してみる」は、今すぐ誰でもできることだなあと。家でもオフィスでもデザインされたものが溢れているし、どうしてこれが好ましいのか、というのも所ん考えたらいいと思う。複数人でやると面白いだろうな、こんなに視点が違うのか、って感じられるはず。

リサーチしよう、いつでも

デザイン業界には、「プロジェクトが始まったときすでに予算は超過しスケジュールは遅延している」てのたまった、有名な教授がいてな。それを克服するには、プロジェクトが始まる前にリサーチをしておけ、ということらしいよ。そのための人員と時間を常に使っておいてもいいんじゃないかなって思うぐらい。

ソフトウェアの分野だとアジャイル開発っていう思想があるんだけど、テスト駆動だったり、ペアプログラミングだったり、短いスパンで企画→設計→実装→テスト→リリースって繰り返す手法なんだが、これもなんかしら取り込んでいける気がするんだ。PDCAサイクル大事。

UX設計だと「いつだれがどこで」を定めない「ユーザビリティ」なんてあり得ないって言ってて、特定の人/場所/状況を具体的に想定してからの設計って話があるんだ。ユーザ目線と観察が大事。誰のためにそれを作るのか。

おわりに

なんのプロジェクトが始まってなくても、問題意識と好奇心を持っていろんなものを見ることは、とても大事だと思う。そこでただ見るだけじゃなくて、デザインていうレイヤーというか「メガネ」をかけて、物事を問う姿勢かなあ。
実際に色々見るのが大事なんですよ、自分な(引きこもってばかりじゃダメよ、私)。

・・・・とか、書いておきながら、なんか私の考え方も2世代前ぐらいな感じするなあと、反省したところ( ꒪⌓꒪)

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