帯にあるように、デザインの原則について書かれた本で、優れたデザインとはどういうものかを説いた本。認知科学の視点で人間中心のデザインについて書かれたたいへん良い本でした。
この場合のデザインはインタラクティブな性質を持つモノのデザインのことで、身の回りにあるものや、人が日常的に使うものの話です。ウェブサイトもインタラクティブなデザインと言えるので、参考になる部分が多かったです。
少々分厚い本なので読むのに苦労しそうだ、と思った場合は、とにかく第1章のインタラクティブなデザインを使いよくするために「発見可能性」が重要であり、それらを構成する要素の話についてだけでも読むといいと思います。
- アフォーダンス
- シグニファイア
- 制限
- 対応
- フィードバック
- 概念モデル
これらを説明するくだりです。
また、エラーについて書かれた章も大変ためになりました。人に機械のような正確さを押し付けるのは間違いで、エラーは人間よりもデザインの悪いシステムに問題がある。エラーは報告され、解決されなければならない。エラーをそれが起こる仕組み別に分類し、どんな解決法が効果的かについて書かれた部分は目を通すと自分のデザインをもっとよくするきっかけになると思います。
デザイナーのみならずデザイン思考に触れたいと思う方、また、デザインを評価する立場にある方は是非とも読んでいただきたいです。25年経って再版されるほどに良い内容だったということですし、時の流れの評価を受けてきたもからは、間違いなく多くの学びが得られるものと思います。
デザイナ、デザインを評価する方向けには他にこの本もおすすめです。