本当は勉強会で話そうと思っていたことなのですが、ちょっと時間が取れないのと、オリンピックがらみやその他いろんなところで見かける「炎上」が気になってきたので、一度書いておこうと思います。
勉強会の初回からメディアリテラシーの話をしました。大事なことだと思ったから、また、大事なことだと思って欲しかったから話しました。
今回起きていることも、もしもネットで発言している人みんなが、正しく、というか前に話したような「メディアリテラシー」に則って行動していたら、こんな風にならなかったんじゃないかなと思います。
自分には関係ないと思いましたか?
だったらぜひ続きを読んで欲しいです。
もし、無自覚であるなら、それが私がもっとも恐ろしいと感じることです。
2020年の東京オリンピックのロゴの話は、実は、ネットでの炎上を見て初めて「そんなことになってたの??」と知った次第です。でも、その時点で「これはアウト」と思っていました。だって、すでに真実とかが置き去りで、ただ「炎上」が目的になっていたからです。
炎上するようなネタがあり、それを煽ることに何の意味があるのか?
あるんです。
炎上したら利益になる人が、多分、いるんです。
こういう言い方も陰謀論に聞こえるかもしれませんが、炎上ネタに便乗してサイトの閲覧数が上がれば儲かるっていう構図は、なんとなく想像できちゃうんですもの。Web屋だから。
今回言いたい問題はここにあります。
あなたが、悪意であろうが、善意であろうが、「拡散」した情報が、事実無根で、誰かを貶めたり、おそらくこれが一番多いんですけど誰かが炎上商法で儲けたいがためだったりしたことだったとしたら。
「拡散」したあなたにだって責任はあります。
匿名で誰か特定できないだろうから責任は問われない。そんな風に考えないでください。だって、あなたは「拡散」を選んだのだから。悪意があろうがなかろうが、関係ないんです。
ていうか、むしろ、これらのことを日々「無意識に」やっていませんか?
自分に関係あることないこと、知っていること知らないこと、本当かどうかもわからないことを、無意識に「シェア」「いいね!」「リツイート」などして「拡散」する。
自分の一票なんか小さいことだから影響しないっしょ?って思います?
そういうひとの無意識の「ちょっと」が積もり積もって大きくなるのがインターネットの場です。良くも悪くも。
本当に、良くも悪くもそういう場なんです。(ほんっっっっっっとうに、この力が、まっとうな、良い方にだけ働けばいいのに!!!!!って、何度願ったかわかりません。でも、それを決めるのは私たち一人の意思であることもまた確かです(と、信じたい))
考えたきっかけはこれでした。これもぜひ見てみてください。
TED 恥辱の代償
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/backnumber/150527.html
上記を見る暇がないやってひとは、下記だけ覚えてってください。
FBのシェアやツイッターのリツイートをする前に考えて欲しいこと。
①情報の真偽。
②それを「今」シェアすることが適切かどうか
③文脈が適当・適切かどうか(文脈のうえで与える誤解がないかどうか)
④上記を満たした上で、その情報を拡散することでハッピーになる人の姿が想像できるかどうか
メディアリテラシーの判断はもちろん、大前提だけど、その上で、その情報が拡散することで笑顔になる人の姿を具体的に想像できるかどうかも考えてみて欲しいです。
(ていうか、具体的に浮かぶならその人にだけ教えてあげるのでもよくないですかって思います)
もちろん、その情報を広めることに意義があり、拡散することが重要な情報はもちろんありると思います(なかなか見かけないけど)。
ただ、それを知って誰かが暗い気持ちになる可能性があるものを、それが真偽のうえで正しかったとしても、わざわざ広めなきゃいけないかどうか、拡散する前にもう1回考えてみてはどうでしょうか?
大事な情報や今思うことは、誰かに伝えたいなら、ネットを介さなくても直接会って話せばいいし、ネット上での「拡散」という行為が必要かどうかについては慎重に判断するほうがいいと思う。
その時は正しいと思って拡散したけど、もしその判断が間違っていたと後でわかったら、間違っていましたごめんなさい、っていう気持ちも相手に伝えられるといいと思います。もし誰かが被害に遭っているとして、「悪かった、ごめんなさい」という言葉は少しでも気持ちを救うと思います。
いくら気をつけていたって間違うのは、人間なので、仕方ないんです(自己弁護込み)。
それでも、素直にごめんなさいと言える器でありたいっすね。
て、いうか、ひとの悪口、いう暇あったら、もっといい仕事しましょうよ、って思うのみなのであります。悪い風に自分の気持ちも心も体も使わないで、もっと前向きなことに使いましょう。これはインターネットとかに限らず、心からそう思います。
ネットで匿名で言いたい放題いう人と、言われてる人の構図って、言われている人は実体も持ってて顔のわかる「ある人」じゃないですか。そのまわりを囲んでるのって真っ黒の実体のない感じの人で、他と区別もあんまりつかないで、ぬるっぺたっとしてて、他とあんまり変わんない意見だけ顔に貼りつけといて「ある人」に群がってるイメージなんですよね。
私自身も、私が知っている人たちも、まちがってもそういう「顔なし」になってほしくないな、っておもいます。
お時間あればこちらの本も読んでみてください。ぬるっぺたにならないための話です。(タイトルすごいですけど、宗教とかオカルトとかそゆんんじゃないです)
『呪いの時代』新潮文庫(新潮社)
内田樹(発行年月 2014年07月)
ISBN 9784101260617
http://www.honyaclub.com/shop/g/g16313487/