WPサイトの設計について(はじめに)

WordPress のサイトを作るとき、サイトマップやワイヤーフレームを見ながら、何をどう機能に充てていこうか考える作業をします。
それを「WPサイトの設計」と呼んでいます。

WPサイトを設計するときに考えていることをまとめました

この記事はこのページを含め、6つの記事で構成されています。

  1. はじめに(この記事です)
  2. 投稿タイプ編 サイトマップにあるページをどの投稿タイプに当てはめるか?判断のコツを解説しています
  3. URL編 WPでサイトを作る時、各ページのURLがどのように決定されているか解説しています
  4. テンプレート編 サイトを作る時にどんなテンプレートファイルが必要になるか解説しています
  5. カスタムフィールド編  フィールドってそもそも何というところから、設計のコツを書いています
  6. まとめ編 いつも使っているプラグインのことや、管理画面、マニュアルとレクチャーなどについて思うことを書いてあります

あくまで、とあるコーダーの個人の思想です

WPで作ることが前提なら、サイトマップやワイヤーフレームの段階で、その辺りのことを決めてくれているディレクタさんもいるのかもしれませんが、あまりそういうことはないので、お引き受けするとき、見積もりをお出しする際にそれらの資料を元に設計を考えて、費用を算出します。

WPサイトの設計をするときに何を考えているか、以下にあげて見たいと思います。コーダーの頭の中を少し分かってもらえたら嬉しいです。

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広報担当さん必見。デザインのみならず大事なことがわかる本。

『広報・PR担当者のためのデザイン入門』

非常に良い内容だと思いました。外部のデザイナーさんなどとの仕事の進め方、流れのようなことは参考になるなあと思ったことが多かったです。また企画自体がしっかりしていることの大切さや、そうなるための考え方の書かれた第1章は必読と感じました。

企業ブログの効用とはなんだろうか

企業サイトにおける「ブログ」の効用とはなんだろうか。
という疑問がふと浮かんだ。

というのも、あまり深く考えず、「ブログあったほうがいいかな」ぐらいの感じで計画に入っていたりするのだが、そもそも、その企業が「ブログで伝えるべきこと」とはなんだろうか。(もちろん戦略や場合によるというのは大前提として)

個人であればともかく、企業としてブログを書くというとき、情報リテラシーの徹底はまず大前提であろうと思う。企業のブランディングにも配慮が必要であろうし、責任者の了解なしに記事を公開、ということもあり得ないだろうと思う(とはいえ、大企業以外に、そんなしっかりとした公開フローが担保されているブログをあまり見たことがないのだが)。はっきり言って「手間がかかる」。そこまでして企業がブログを書く意味とは、実際問題、なんなのだろうか。

企業ブログの効果」とGoogleで検索すると、様々な記事が出てくる。効用ありと訴える声があると言える。どんな記事を書くべきかと言った指南書も多くある。
ブログ記事は企業のコンテンツの財産と思って書くべし、という内容の記事も見かけた。確かに、その意識でしっかりした内容を届ければ、有用であろうし、ユーザーにとっても良い話だ。けれど、企業が際限なくそういう記事を書けるかどうかといえばおそらく限界がある。「ブログを書く」こと自体が企業にとっての「本業」ではないはずだからだ(一部にそういう場合もあるだろうけれど)。多くの場合「本業」は別にあるはず。

一度記事を書けば、その情報は「どんどん古くなる」運命にある。状況はどんどん変わっていく。それに耐える記事というのは素晴らしいコンテンツであるのは間違い無いだろうが、そういうものをただ「ブログのひとつの記事」としておくよりは、企業の提供するメインコンテンツにしたほうが有用ではないか、とも思えてしまう。古くなった記事は、どうするべきだろうか。掲載を続ける?やめる?古くなってしまった情報に「手入れ」はどの程度考える?どんなものでもそうなのかもしれないが、その記事の「寿命が尽きるとき」を想像して、想定して、どう「仕舞う」か、ということは、重要なんじゃないだろうか。そうでないと、もしかしたら「使えないブログ記事」があちこちに溢れかえってユーザーが「本当に必要としている情報」にたどり着くことを阻害しないだろうか?

書籍や論文のようなものは、どんな「終わり」が想定できるんだろうか。形あるものだから、モノとして失われることはありうる。実際、そうなったものも数え切れないぐらいあるんだろう。

ブログに限らず、どんなコンテンツであろうと、それを仕舞う時のことに想いを馳せるべきではないだろうか。無用なコンテンツ(それを決めるのは誰なんだ、これもまた難しいな)がなるべく少ないほうが、インターネットは「有用」じゃないだろうか?(集合知ということを考えたら、「数が多いほうがいい」ということらしいので、これもまた一概には言えないかもしれない)
ただ、企業である以上、ブログであろうがそうでなかろうが、発信した情報について「責任」があるという考え方をするならば、掲載してからその記事が役目を終えるまで見守らなければならないと思う。そう思うと、コンテンツを持つということ自体、手間のかかることですね。

うまく運用すれば効用はあるだろう、しかしそれらの発信した「情報」に対して企業はその記事の役目が終わる時まで「責任」を持って見守らなければならない。
まだもう少し考えるべきことがあるような気がするけれど、とりあえず今回のところはここまで。

私のやり方(データ整理編)

クライアント名/プロジェクト名/日付+作業内容/作業データ
という階層になるようにデータを保存している。

そのほかのルールは大体こんな感じ

  • 最新データは「プロジェクト名」フォルダ直下、もしくは「日付+作業内容」フォルダ直下におく
  • バックアップは差分で残しファイル名はなるべく変えない
  • 修正指示は必ず文書で残す。メールで指示が来たの場合はPDFに書き出したり、打ち合わせ時や口頭での指示だった場合は、面倒だけど指示を取りまとめた文書を作って保存し、相手もにも送る。
  • CMSへの入力内容についても、修正があった場合は、すでに入力されている内容をコピペするなどしてバックアップする。履歴やリビジョン機能は過信しない。(データベースを整理する際に消されたり、履歴の保存上限がある場合は消えるので)

このやり方だと、いつどんな作業をしたかプロジェクトごとに一目でわかるので便利です。

メールで指示が来た時は、指示内容をテキストで残すとか、メール自体をPDFに書き出すなどして残しておく方がいいと思った。パソコンが調子悪くて初期化した時などでも、メールボックスのバックアップまでに気を回さずに済む。

作業自体がそこそこ修正が繰り返されるものである場合は、「日付+作業内容」フォルダの中に、「工数フォルダ(例だと「ラフ」や「2校」となっているもの)」を作って、段階ごとの修正指示とバックアップを取るようにしている。最初のに戻して!なんていう指示もあるので作業中のバックアップとして役立つ。また、だいぶ時間が経った後などに、「最初こういう指示のはずだったのに、なんで違ってるの?」という問い合わせもあったりするので、作業指示とバックアップが残っていればどの段階で変更があって、という説明ができる。
上記の例の場合、新たな修正があって3校めが増えたとすると、「3校」フォルダを作り、まず、修正指示のデータを保存しておく。修正が入ったデータのバックアップを「3校」フォルダに入れ、修正作業自体はルート直下にあるデータに対して行う。すると3校が来た時点のデータが残り、「日付+作業内容」フォルダ直下のデータが最新のまま保たれる。2校との修正前後の差もデータを見比べて2校の修正指示を見るとわかりやすいはずだ。
工数ごとにフォルダができるので、修正が繰り返されたことも一目でわかる。もしかしたら、似たような作業内容が振られた時にざっと修正内容を見返したら、同じ轍を踏まない!ということもできる、、、かもしれない。

みなさんの意見も聞いてみたいですので、お気軽にコメントにて。

2017/7/12 勉強会の内容について

はじめに ウェブサイトを作るということは

まず戦略があって、明確な目的があるはず。全ての工程はその「目的」に照らして妥当かどうかで判断されて進んでいく。
作ったサイトはそれきりではなく、目的や目標に照らして効果を検証し、繰り返し改善するというステップがある。

当日ちょっとこの話はしませんでしたが、ウェブの制作は分業されています。関わる人が多いです。その中でうまく進行していくために情報共有が大事です。また、それぞれが、「その部分」について積極的に関わることを求められて任されているのか、きちんと理解しておくことも大事だと思います。

この時、デザインはクライアントの好みやデザイナ個人の作品としてではなく、目的にあっているかどうかで妥当かどうか判断されるべきです。

ウェブサイトは「積み上がって」できている

インフォグラフィックについては、こちらの本から引用しております。(外部サイト)
https://www.amazon.co.jp/ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」―5つの段階で考えるユーザー中心デザイン-designing-books-JesseJames-Garrett/dp/4839914192

デザインだけ考えようと思っても難しいのは、その下の段階についての理解や情報共有がなされていないからではないか?各段階では、それを決定して共有するための文書が出来上がるはずなので、それを共有しながら進めていくべき。

 

ウェブはインタラクティブなもの

inter+active 相互作用
片方がアクションを起こすと、もう片方がアクションを返す。
ウェブも、何か操作をし、それに対しての反応があり、その反応をみて、次の操作をする、ということの繰り返しで、ユーザーは求めているものを得る仕組み。

インタラクティブなものを人が利用するとき、「使える」ためには「発見可能性」が必要(当日はこういう言葉では説明しなかったけど、、、)

発見可能性を支える要素

・アフォーダンス
・シグニファイア
・制限
・対応づけ
・フィードバック
・概念モデル(学習によって得られ、個人によって差がある)

引用
Donald A. Norman (2013) THE DESIGN OF EVERYDAY THINGS Rrvised and Expanded Edition Basic Books Inc.(D.A. ノーマン 岡本 明、安村通晃、伊賀聡一郎、野島久雄(訳)(2016) 増補・改訂版 誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論 新曜社)

実際のウェブページから上記の要素を探してみる

ワークショップのような形式で、とあるウェブページを白黒印刷したものを、用意してみんなで上記の要素を探してみました。

印刷したのは、下記のサイト。(外部サイト)
http://www.holland.com/de/tourist/reiseziele/maastricht.htm

  • この場合のアフォーダンスはスクロールできることや動かせることそれ自体(アフォーダンスには知覚できないものも含む)
  • シグニファイアはアフォーダンスの中でも知覚できて操作を導くもの
  • これは何のサイト?
  • そう思った理由は?
  • 対応づけが感じられるものは?
  • ところでこのページの目的は何でしょう?

印刷したものを大体全て見てみた後に、実際の差異をと表示して、推察が正しかったかどうか確認。色々と発見がある。自分が作ったサイトでも、静止画にして見直して見たり、他人に見てもらうことで発見があるかもしれない。

『誰のためのデザイン? 増補・改訂版』

帯にあるように、デザインの原則について書かれた本で、優れたデザインとはどういうものかを説いた本。認知科学の視点で人間中心のデザインについて書かれたたいへん良い本でした。

この場合のデザインはインタラクティブな性質を持つモノのデザインのことで、身の回りにあるものや、人が日常的に使うものの話です。ウェブサイトもインタラクティブなデザインと言えるので、参考になる部分が多かったです。

少々分厚い本なので読むのに苦労しそうだ、と思った場合は、とにかく第1章のインタラクティブなデザインを使いよくするために「発見可能性」が重要であり、それらを構成する要素の話についてだけでも読むといいと思います。

  • アフォーダンス
  • シグニファイア
  • 制限
  • 対応
  • フィードバック
  • 概念モデル

これらを説明するくだりです。

また、エラーについて書かれた章も大変ためになりました。人に機械のような正確さを押し付けるのは間違いで、エラーは人間よりもデザインの悪いシステムに問題がある。エラーは報告され、解決されなければならない。エラーをそれが起こる仕組み別に分類し、どんな解決法が効果的かについて書かれた部分は目を通すと自分のデザインをもっとよくするきっかけになると思います。

デザイナーのみならずデザイン思考に触れたいと思う方、また、デザインを評価する立場にある方は是非とも読んでいただきたいです。25年経って再版されるほどに良い内容だったということですし、時の流れの評価を受けてきたもからは、間違いなく多くの学びが得られるものと思います。

デザイナ、デザインを評価する方向けには他にこの本もおすすめです。

『検索と発見のためのデザイン』

ブラウザを開いて、検索をして情報を発見するまでに、その人に何が起こっているか?を解説した本です。何気なく使っている検索機能や「探して見つける」という行為を振り返ってみるのにとても良いです。なかなか普段やっていることを自覚的に見直すことはないと思うので。

ただ、ちょっと読むのが難しい本だったなあ、という感想があります。レトリックの言い回しが唐突だったり独特だったりするので。慣れれば読めます。

システムに正しく自分の探しているものを伝えることや、その時ユーザーが何を体験するか、ということについて考える材料になると思います。